あの子はほんの少しだけでも幸せになれただろうか。あの子の幸せを奪ったのはボクじゃないのか。あの時、ボクは何もしなかった。何も気付かなかった。最期の瞬間、あの子は幸せだっただろうか。あの子の声のしなくなった部屋の一角を見てボクは一人 泣くのです。
巣から落ちていたツバメの赤ちゃんを育てていたのです。3週間ほど経っても飛ぶ気配が無かったので運動不足や栄養不足になっていたのかもしれません。今日の朝 亡くなったそうです。パソコンの置いてある部屋の簡易巣で育てていたので日中は殆ど一緒にいました。上で鳥めしが美味いとか言いながら鳥を育てていました。ほんの数週間一緒に居ただけなのにこれほど悲しいのです。これからの人生の中で永遠の別れは何度も遭遇するだろうことを思うと生きることの苦しさに押しつぶされそうになるのでした。